2021年4月ドラマ【イチケイのカラス】は人気の高いリーガルドラマでは珍しい「刑事裁判官」を主人公としたドラマです!
この作品は浅野理都さん原作の【イチケイのカラス】(講談社モーニングKC刊)にドラマオリジナルを加えての物語展開となっています!
第7話ついにみちおと日高の12年前の因縁が明らかになりましたね。
今回は過去の事件から入間みちおが刑事裁判官になった理由を考察していきます。
後半ではモーニングに連載されていた浅野理都さんの原作版ののみちおが刑事弁護士を辞め裁判官になった理由も紹介しますので興味のある方はご確認ください。
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https://twitter.com/ichikei_cx/status/1333204506532671490?s=20
Contents
「救えなかった人」がいたから
みちおが「刑事弁護士」から「刑事裁判官」になった最大の理由は「救えなかった人」がいたからです。

【イチケイのカラス4巻 著浅野理都さん モーニング】
刑事裁判官に証拠申請を拒否された
入間みちおは、無罪判決を導き出す凄腕弁護士として活躍していた傍ら、「無実を主張する被告を救えなかった無力感にさいなまれます」
ある、信号無視をした高校生をひき殺してしまった女性の控訴審を担当した際、みちおは必死で現場検証をし無罪の証拠を集めまわりました。
そうしてやっと、被告を無罪にするための証拠を準備し裁判に臨むのですが、裁判官より「証拠申請の必要性がないと却下されてしまいます。」

【イチケイのカラス4巻 著浅野理都さん モーニング】
死んでもないけど生きてもない
この裁判をきっかけにみちおは「刑事弁護士」の無力感から、仕事に行かなくなります。
この裁判の帰りに、「弁護士バッジ」を公園で遊んでいる子供にあげ、刑事弁護師から離れる事を選ぶのです。
そんな自分をみちおは「死んでないけど、生きてもいない」と表現します。

【イチケイのカラス4巻 著浅野理都さん モーニング】
駒沢部長との出会いで刑事裁判官に
「死んでないけど、生きていもいない」状態のみちおは、妹に頼まれて訪れたコミケで運命的な出会いを果たします。
それは、やがてイチケイで上司となる駒沢裁判官(小日向文世さん)です。
人の弱さが分かる裁判官になるために
駒沢裁判官の「被告に納得してもらうためにはここまでやった、ここまで調べたという事実が大切である」という考えに共感を受け、自分が抱えている刑事裁判への疑問を打ち明けます。
「刑事弁護士」から身を引こうと思っているみちおに対して駒沢部長が刑事裁判官の道を勧めるのです。

【イチケイのカラス4巻 著浅野理都さん モーニング】
それは「不条理が身に染みており、被告の気持ちに寄り添えるそんな裁判官が必要だ」と考える駒沢部長の思いからでした。
この出会いをきっかけに、「人の弱さの分かる裁判官」になる事を決意するのです。
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裁判官が戦うものとは
原作の中で登場する言葉(おそらくドラマでも重要な言葉)でみちおのこんなセリフがあります。

【イチケイのカラス4巻 著浅野理都さん モーニング】
「検察官は強すぎる正義感と….弁護士は無力感と戦わなければならない」
それぞれが、それぞれの戦いがあるのが法廷なのではないでしょうか。そしてそれを裁き「判決」を下す裁判官は何と戦わなければいけないのでしょう?
人の弱さと戦う
「裁判官は何と戦う」かについては、坂間真平(ドラマでは黒木華さん演じる坂間千鶴)がたずねますが、みちおは「自分で考えろ」と、答えを教えません。
なので、私たち読者もその答えは自分で考えるしかそれを知る方法はないのです。
筆者の考えとしては「人の弱さ」と戦うという事なのではないでしょうか。
被告を見る事が裁判官の役目
検察は「被告の有罪を」弁護士は「被告の無罪」を主張する裁判で、裁判官の役割は弁護士を見る事でも、検察官を見る事でもなく「被告」を見る事なのではないでしょうか。
日本の刑事裁判では有罪率99.9%という圧倒的な数字で被告は有罪となっています。みちおはこれを「冤罪のほとんどは刑事裁判官のせい」だと表現しています。
背景としては、初めの頃の坂間真平が話していた「有罪無罪に関しては検察官が立証しているもので、裁判官が決める事ではない」という考え方があるのです。
一番弱い立場は被告
「検察官」「弁護士」「裁判官」「被告」の中で一番弱い立場にいるのは、おそらく「被告」です。
有罪率99.9%が示しているように日本の裁判では「被告の言い分」が受け入れられる事があまりに少ないのです。
みちおが思う裁判官はこの「弱い被告」にスポットを当てる事にあると筆者は考えます。それは決して「かわいそう」などの情ではありません。
「罪」を犯したのであれば、裁かれるのは当然。しかし、「弱い立場」だからと言って納得できない形で裁かれるのは間違っている。
そして、往々にして罪を犯してしまう人は「弱さ」を抱えています。その「弱さ」に寄り添う事こそ、判決に関わらず「被告のこれから」に光を当てられるのです。
この被告が抱えている「弱さ」と一緒に戦うのが「裁判官」であるとみちおの言葉から筆者は考察しています。
ただのリーガルドラマじゃない
イチケイのカラス今年もどうぞよろしくお願いします。アイスは溶ける前になんとか食べようとしてしまう派です(浅見) pic.twitter.com/ZkitJhM0VZ
— イチケイのカラス【公式】 (@ichikeinokarasu) December 31, 2020
私は【イチケイのカラス】はただのリーガルドラマではないと思っています。
裁判官を通して、「人の弱さ」にどう向き合うのかという事がテーマにあるのではないでしょうか。
それは、自分を含めたすべての人にあてはまるものです。
現代社会ではSNSでの誹謗中傷で自殺する人が出るほど、情報に溢れており、事実ではないことで多くの人が傷つけられ逆に傷つけている人もいます。
ここまでの状況ではないにしても、似たような場面が起こったときに「どちら側に立つ」のか?そこには「弱さ」という言葉が自分の中でどういう意味を持つのかで変わってくるのではないでしょうか。
決してこれは、表面的な「情」や「正しさ」ではなく、一人一人がどう向き合えるのかを自問自答することで導き出されるものです。
そういった事を考えるきっかけをくれるドラマになると筆者は考えています!というより期待しています!笑
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